バギオは、ベンゲット州の領域内にあり、どこの州にも属さない独立都市です。バギオは観光地であり、近くに世界遺産にも登録されているコルディリェラの棚田群など、見所が多く世界中から観光客が訪れます。面積は57平方キロメートル、人口は273,000人（2008年）で、高地（都市の平均高度が1,524メートル）にあることから冷涼な気候で、3月から5月にかけて大統領府などの政府機関が移転します。このことからバギオはサマーキャピタルとも呼ばれています。年間平均気温が15℃から26℃と過ごしやすくフィリピンの避暑地として有名です。

マゼランが1521年にセブ島に上陸して以来、約350年間スペインがフィリピンを植民地支配していました。1898年、米西戦争によってスペインを破ったアメリカが、2000万ドルでフィリピンを買い受け植民地としました。その支配はフィリピンが1946年に独立を果たすまで続きます。アメリカ支配時代、マニラの暑さに耐えかねたアメリカ人たちの手によって避暑地として、バギオの開発が始まりました。

バギオ開発の当初、道路建設が思うように進まないので、アメリカ人たちは日本人の勤勉さに着目し、日本からの移民にその建設を託しました。日本人は劣悪な労働条件と厳しい自然環境の中で多くの犠牲者を出しながら、1903年に道路は完成しました。道路の名前は建設責任者の名前を取ってケノン道路と呼ばれていますが、現地では日本人が建設した道路として広く知られています。この建設に従事した日本人の一部はフィリピン人と結婚して現地に残りました。彼らの中にはその勤勉さで事業に成功した人も多く、現地の日本人の地位は次第に向上し、第二次大戦が勃発する以前その繁栄はピークに達します。

この繁栄は日本軍のフィリピン侵攻、植民地化、敗退を経て暗転します。侵攻、植民地化していく中での日本軍の残虐行為、また日本軍が敗走する時に、現地の村々を焼き払ったことへの遺恨は凄まじく、日本人は現地人からの襲撃に晒されます。彼らは山奥に逃げ込んで常に生命の危険に怯えながら飲まず食わずの生活を強いられました。その悲惨な生活は、1972年にシスター海野らが命がけの救出活動を始めるまで続きました。シスター海野は1973年に北ルソン比日友交協会を設立、1974年奨学金制度を始めるなど日系人の地位向上に尽力しました。一方ではフィリピン人を貧困から救うため1983年に農業協同組合を創設するなどフィリピン人の生活向上にも尽力し、バギオ市のあるベンゲット州から名誉州民の称号を贈られました。1989年シスター海野が死去した後、その活動はカルロス寺岡、寺岡マリエ、尾辻ヨシの各人に引き継がれ今日に至っています。その後の日系人社会の発展とフィリピン人の生活向上に尽くてきた功績により、彼らは両国民から尊敬されています。現在は、バギオに住む日本人は数十人しかいませんが、最盛期には目抜き通りの商店は、数軒を除き全て日本人が経営していたほどの繁栄ぶりだったそうです。

1990年7月16日の大地震で、壊滅的な打撃を受けながらも、フィリピン政府はもとより、日本やアメリカをはじめとした諸外国、民間からの援助や寄付によって再建されました。

バギオ市の産業の中心は、教育機関です。7つの大学をはじめ、多くの職業専門学校が乱立しています。バギオ市とベンゲット州周辺地域の総学生数は、100万人ともいわれています。

○バギオカテドラル Baguio Cathedral
○セッションロード Session Road
○キャンプ・ジョン・ヘイ Camp John Hay
○マインズビューパーク Mines View Park
○ザマンション The Mansion
○ボタニカルガーデン Baguio Botanical Garden
○蘭植物園 The Orchidarium
○メリノールエコロジカルサンクチュアリ Maryknoll Ecological Sanctuary
○タムアワンヴィレッジ Tam-Awan Village
○イトゴンヴィレッジ（木彫り細工） Itogon Wood Carver's Village
○アシンホットスプリング Asin Hot Springs
○ライトパーク Wright Park

BAGUIO GIRL-Ang GANDA GANDA Mo!
バギオの娘さんきれいだね！カントリーソングに載せてバギオの町を紹介しています。